子どもと学びとわたし

保育士ママが子育てや教育について考えてみる

不登校、その後の人生

 

子どもが不登校になったとき、親が心配するのは、子どものその後の人生だと思います。

 

不登校、その後どうなっているか?

わたしの周りにいる不登校経験者のほとんどは、

今、普通に社会に出て自立して生活しています。

 

小学生で不登校になった息子

 

わたしも息子が小学1年生で行きしぶり、2年生で不登校になったとき、

 

小学校すらまともに行けない子が、この先どうやって生きていけるんだろう。

 

というのは真っ先に考えたことでした。

中学生で不登校は想定していたんですが、

そのときは、まさか小学生で不登校になるとは夢にも思っていなかったんですよね。

 

しかも担任からは、

 

「このままだと一生引きこもりですよ、いいんですか」

「お母さんが甘やかしてるからではないですか」

「ちゃんと家で叱っていないんじゃないですか」

 

と、さんざん責め立てられ、わたし自身もどんどん追い詰められて、

「このままこの子が自立できなくなったら、わたしのせいだ…」

と、自分を責めては陰で泣いていました。

 

今思うと、いやいやいや、大丈夫でしょ。って思うのですが、

当時のわたしは本当にまったく余裕がありませんでした。

そのことが余計息子を苦しめてしまったことは言うまでもなく。

本当に申し訳ないことをしてしまったと、今でも後悔しています。

 

息子は小学校で2度の不登校を経験しました。

これで人生終わり、なんてこともちろんありません。

引きこもりにもなっていません。

 

現在はオルタナティブスクールで学び、今は動画編集に夢中になっています。

E-sportsにもチャレンジしています。

 

高校どうするの?という声があるかと思いますが、

現在の系列の私立高校へ進学予定です。

以前は絶対無理!と言っていた海外留学にも興味を持ち始めました(わたしの影響か?)

 

【追記】

2022年12月 無事高校進学決まりました!

年内に決まったので、4月までは好きなことをやったり、新しいことにチャレンジしながら過ごすそうです。

 

わたしの周りの不登校経験者

 

・まず、わたくし。(え?)

 高校時代、不登校予備軍、別室登校してました。

 高卒後→アメリカ、カレッジ進学→帰国後、保育士資格取得→保育士

 

・二人目

 中学、登校しぶり→山村留学→高校進学→海外留学→私立大進学→起業&会社員

 

・三人目

 中学・高校不登校→大検(現高卒認定試験)合格→専門学校→就職

 

・四人目

 高校不登校・中退→海外留学→帰国後就職

 

・五人目

 高校不登校、家出→海外へ→通信制高校卒業→海外大学進学→起業

 

 

どうでしょう?

他にもいろいろ回り道をしながらも、普通に日本で就職した方、弁護士になった方、海外で就職した方、青年海外協力隊に参加した方、様々です。

海外へ渡航されている方が多いのは、わたしがアメリカで出会ったときに、

「わたしも不登校だったよ」という話になることが多かったからです。

本の学校システムが合わなかったから、いじめに合ったから、という話は多かったです。

もちろん、そういう方ばかりではないのですが。

わたし自身が不登校予備軍で日本の教育に疑問を持っていたせいか、同じような経験をした人たちが周囲に集まってきていたのかもしれません。

類は友を呼ぶ効果?

とはいっても日本人同士で群れる、というよりはお互い海外生活で情報交換をする、というつかず離れずの関係性でした。

 

わたしが出会った不登校経験者はほとんどが様々な人生を歩みつつも就職したり、自分なりにやりたいことを見つけて頑張っていました。

 

唯一、ひとりだけ、自らの人生を終わらせてしまった方がいました。

その方は本当に優秀でIQも高かったと思います。

今思うと、もしかしたらギフテッドだったのかもしれません。

 

子どもは子どもなりに考えている

 

親として子どもの将来は本当に心配です。

けれども、子どもは子どもなりに悩んでいるし、考えてもいます。

大人と違って、世の中にいろんな生き方あること、いろんな選択肢がわからないことも多いです。

学校がすべて、の子どもにとってみれば、学校以外の選択肢は未知の世界。

 

学校へ行けなくなったら人生終わり、と思ってしまう子どももいます。

息子がそうでした。

 

だからこそ、人生の先輩である親はいろんな生き方があること、いろんな選択肢があることを子どもに伝えてあげなければらないし、その生き方を精一杯応援してあげるべきだと思うのです。

 

その選択肢の中から、どんな道を歩むのかは子ども次第。

 

子ども自身、自分がやるべきこと、しなければならないことに気づいたら勝手に動き始めてくれるんですよね。

そして気づくと、「そんなことまで考えてるの!?」とびっくりさせられるような発言をしていたりします。

 

わたしにはわたしの生き方があったように、

 

この子にもこの子の生き方がある。

 

それは他の子とは同じではないかもしれない。

みんなと同じような道を進むことはできないかもしれない。

たったひとりで茨の道を進まなければならないのかもしれない。

 

親としては苦労せず生きていってほしい。とは思いますが、それが子どもにとって良いことかどうかはわかりません。

わたし自身は高卒後にアメリカへ行ったことで、普通に大学進学→就職をしたクラスメートたちとは違う苦労を味わいました。

日本の大学生活で合コンやサークルで楽しい時間を過ごしている友達の話を聞きながら、

わたしはひたすらESSAYやプレゼンの準備に追われ、泣きながら課題を仕上げたこともありました。

けれども一方で、違う喜びや違う楽しみを見つけられたことも確かです。

日本にいたら経験できなかったことをたくさん経験することができましたし、その経験は今も役に立っていることが多いです。

どちらがいいか、は人それぞれです。どちらが正解でもないし、どちらが間違っているわけでもないです。

 

親は何をしてあげられるのか

 

自分を見つめ直した時、わたしは親にどうしてほしかったんだろう?

 

自分を信じて背中を押してくれたこと、経済的に支えてくれたこと、

疲れて家に帰ったときは、何も聞かずおいしいご飯を作ってくれたこと。

 

それは本当にうれしかったし、感謝してもしきれないことです。

でもよく考えてみると、本当にそれだけでよかったんですよね。

 

だったらわたしもそういう親でありたい。

 

不登校は、わたしたちにとって始まりのスタートラインでした。

息子は「あの経験があったから今の学校に出会えた」と言います。

確かに、わたしも学校へ行くのが辛くて辛くて、別室登校をしたり、授業をさぼったり、そんな経験があったから、アメリカへ留学という道を選ぶことができました。

 

信じるべきは赤の他人の言葉でもなく、学校の先生でもなく、わが子であるべきです。

自分が大切に育てた子どもです。

 

この子は、絶対に大丈夫。

 

信頼できる人がいれば、アドバイスには耳を傾けるのはいいですが、最後はわが子の力を信じてあげること。

 

わたしは息子からそのことを教えてもらいました。

 

これから先もいろんな困難にぶつかると思います。

けれども、不登校の経験は必ずどこかで役に立つのではないかと思っています。

 

現在子どもが不登校、不安な保護者の方へ

 

現在、不登校真っただ中、先も見えない状態の保護者の方もいらっしゃるかと思います。

不安で不安でなにかにすがりたくなる気持ちもあると思います。

 

時間が過ぎるのがとてつもなく遅く感じて、

いつになったらこの状況から抜け出せるんだろう?とついつい子どもを急かしてしまったり。

ダメだとわかっていてもついつい余計なことを口走ってしまったり。

周囲の目が気になって、こもりがちになってしまったり。

育て方を責められたり、きつい言葉をかけられて落ち込んでしまったり。

 

でも、それは子どもと一緒に親も負のループに入り込んでしまうだけです。

子どもが自ら断ち切るのは難しいので、必ず負のループは親が断ち切るほうがいいと思います。

 

我が家が実践してみたことはこちらでも書いてます。

htklv.hatenablog.com

 

子どもが小学生くらいだと、一緒に違った環境で過ごしてみる、というのも効果的です。

エアビー(Airbnb)などを利用して2,3週間くらい知らない場所に滞在したり。

親も子もリフレッシュできるので。

ちなみにわたしは実家に2週間、子どもたちを連れて行きました。

仕事の都合や、兄弟の状況なども考慮しなければならないのでなかなか難しいとは思うのですが、

 

知らない場所へ行くと、人の目があまり気にならなくなり、外出もできます。

我が家は、平日の少ない遊園地、水族館などなど、思いっきり楽しみました。

 

え、大丈夫?と思われるかもしれませんが、意外に仲間はたくさんいます。

 

もちろん、インターに通っていたり、

海外生活をしていて日本に帰国中だったり、

旅行だったり(当時は外国からの)、

などさまざまな理由や状況の子どもたちもいるでしょう。

いろんな子どもたちがいるのです。

それを知ることも、けっこう大事だったりします。

 

子どもが中高生くらいだと、親にはあまり関わられたくない、というお子さんもいらっしゃるかと思います。

その場合は親が集中して楽しめるものに没頭するのがいいと思います。

 

これ、いろんなところでよく書かれていると思うのですが、

いったん、子どもだけに向けられている視点を、変えてみるんですね。

子ども自身もずっと親に見張られている、監視されている、と思うと余計窮屈に感じますし、

親としても、不安なままなので。

 

親が自分の楽しみを見つけてその時間を過ごしていると、

いつの間にか子どもも好きなことをやり始めていたりします。

 

どうしても不登校を解決するために、そういった本を読みあさったり、ネットで調べたり、とやってしまいがちです。

もちろん、そういう時間も必要だったりもするのですが、

いったん、相談する人を決めて、

ある程度時間が過ぎるのを待つ、という状況になったら、

親は自分の時間を楽しむことを考える方が、結果として早く状況が改善していくと思います。

 

世の中、いろんなことを言う人がいます。

悪意なく、傷つくことを言ってくる人もいます。

良かれと思って、よくわからないアドバイスをしてくる方もいます。

いろんな意見があるので、いろんな人の話を聞いていると、親もどうすべきかわからなくなったりします。

 

そういうときは、不登校経験者であれ、カウンセラーさんであれ、

  • こういう考え方がいいな、
  • こんな風に寄り添ってもらえると安心する、

という方の意見を参考にしたり、相談したりするのが一番です。

 

親の心が安定していると、子どもの心も安定してきます。

 

大丈夫!

わたしの周りにいる不登校経験者は、それなりに幸せに過ごしてます!