子どもと学びとわたし

保育士ママが子育てや教育について考えてみる

不登校の子ども、卒業式や卒業アルバムをどうするか迷ったとき

子どもの不登校が長引いてきたとき、

小学校6年生だったり、中学、高校3年生だったりすると、考えたくはなくても卒業について考えなければならないときがやってきます。

 

我が家でも、小学5年生から完全不登校となり、6年生はホームスクーリングで学んでいるため、6年生になってまもなくして、卒対の担当の方から連絡が来ました。

 

そこで、今回は卒業式や卒業アルバムをどうすべきか、について書いてみようと思います。

 

我が家の場合の結果を先に書いておくと、

 

卒業式欠席

卒業アルバム、購入せず

 

と、なりました。

それについてもなぜそうなったか、を書いてみます。

 

 

卒業式に関して

卒業式の参加/不参加は3学期に決めても大丈夫

まず、卒業式ですが、ほとんどの学校で3学期に結論を出せば大丈夫かと思います。

五月雨登校をしている方や、不登校でも学校への復帰が見込める場合もあるかと思います。

そういった場合は先生方と相談しながら卒業式の出席/欠席を検討していけばいいのではないかと思います。

 

我が家のように完全不登校、学校復帰もまず考えられない、という場合は、

卒業式のみ出席するかしないか、ということで悩まれる方も多いのではないでしょうか。

 

親としては最後だけでも気持ちの区切りをつけるために、出席するのもアリなのではないか?

と思う方も多いと思います。

ぎりぎりまで悩む時間はあるので、親としても、子どもにとっても後悔のない形で修了の日を迎えることができればいいですよね。

 

卒業式の参加方法

不登校の子どもたちの参加方法としては、いくつかあります。

 

  1. クラスメートと同じように参加
  2. 保護者席で保護者と一緒に見学のみで参加
  3. 別室でオンラインで参加
  4. 別室で待機し、卒業証書のみ受け取りに参加
  5. 完全別室、別時間に校長室で一人だけ卒業証書を受け取る
  6. 自宅に先生に来てもらい卒業証書を受け取る

 

他にもケースはあるかと思いますが、だいたい学校から提示されるのはこのようなケースです。

我が家でも、学校からはいろいろな形で参加できるよう選択肢をいくつか示されました。

もし参加を検討されるならば学校側と相談し、本人の望む形、本人が納得できる形での卒業式になると一番いいと思います。

 

我が家が卒業式欠席を決めた理由

最初は、息子は出席するといっていたんです。

ただ、その理由が、

 

卒業式に出席しないと卒業できない

 

と思っていたらしくて、卒業するためだけにイヤイヤ出席しなければならないと思っていたんですよね。

なので、

 

卒業式、イヤなら出なくても卒業はできるよ…今の日本は…(^_^;)

と告げると、

 

じゃあ、行かない

 

という返答になりました。

もちろん、こんなやりとりだけではなく、卒業式はひとつの区切りの意味もあるよ、ということにいついても話はしました。

仲の良かった友だちのことやお世話になった先生方もいます。

最後に言葉を交わすチャンスでもあります。

 

最終的に欠席する、という決断に至った理由としては、

 

  • オルタナティブスクール進学が決まったことで、小学校への気持ちの区切りがついていた
  • 後ろを振り返ることではなく、新生活への気持ちの切り替えを優先した
  • 卒業式の練習に参加しないで当日だけ出席することに違和感があった
  • コロナ禍で、式自体が縮小されることになった

 

です。

卒業証書などは後日、わたしが学校へ取りにいくことにしていましたが、

卒業式の日に、電話がかかってきて、直接担任の先生が届けにきてくれました。

先生としては最後に息子に会って話がしたかったようでしたが、

息子のもう小学校にはかかわらない、という決意は固く、会いませんでした。

 

そのときは息子の意志を尊重しましたが、その判断がよかったのかどうかはわかりません。

 

卒業式の重みは人それぞれ違う

日本で学校へ行く、ということは当たり前のように入学式と卒業式を経験します。

たぶん多くの方にとってそういった式は思い入れのある行事のひとつだと思います。

なので、どうしても参加した方がいいのではないか?

区切りとして必要なのではないか?

と思ってしまうところがあると思います。

けれども、どうしても参加したくない場合、それは最悪の思い出のひとつになってしまう可能性もあります。

本当に難しい判断です。

良かれと思ってすすめてみても、本人とっては有難迷惑なだけのこともあります。

 

実はわたしは自分の高校の卒業式には出席していません。

なぜかというと、高校が大嫌いだったことと、その高校に通っていた自分が嫌いだったからです。

卒業式なんて正直どうでもよかったんですよね。

卒業資格は高校3年生の2学期まで学校へ通っていたので、すでに確定していました。

3学期は自由登校になり、わたしはさっさとアメリカに渡りました。

 

高校の卒業資格を得るためだけに通っていた学校、いまでも私の中ではそれだけの存在です。

もし、学校が楽しくて思い出もたくさんあって、誇れるような学校生活を送れていれば、わたしにとって卒業式はもっと別の重みがあったのかもしれません。

 

そんな自分の経験があったので、わたしは息子の…

 

もう、僕は小学校に未練はない。

新しい自分で、新しい学校生活を頑張りたい。

 

その気持ちを尊重したかったのかもしれません。

 

卒業アルバムについて

卒業アルバムは、結構早い段階から卒対の方たちは動き始めるので、卒業式よりも早めに判断をしなければなりません。

 

卒業アルバムの個人写真、集合写真

卒業アルバムの個人写真や集合写真は1学期、もしくは2学期の初めに撮影している学校が多いようです。

息子の学校では1学期でした。

そして現在ではプライバシー保護の観点から、写真を載せてもOKかどうかの書類にサインも必要です。

我が家は6年生はもう学校へは行かない、と決めていたので個人写真も集合写真も撮影はしませんでした。

学校側や、卒対の方がたからは、いろんな提案があったのですが、すべてお断りしました。

  • ひとりで写真屋さんで撮影する
  • 家で撮影したものを使用する

こういった形で対応もしてもらえるようです。

 

我が家では個人写真に関しては掲載を一切拒否しました。

個人が特定されるものに関しては載せない、という立場を貫くことにしました。

ただ、お友だちの何人かが、息子と一緒に写っているのもを載せてほしいと言っていたようで、息子に許可をとったうえで、それまでの集合写真や、複数のお友達といっしょに写っているものに関してはOKということにしました。

とはいっても息子は写真が嫌いだったので、学校で撮影された写真はほとんどありませんでしたが(^_^;)

仲のよかったお友達のお母さんが撮っていた写真が使われたようです。

 

卒業アルバム写真の大半は最終学年

みなさん、自分の卒業アルバムを見返してもわかるように、卒業アルバムの写真の大半は最終学年の写真です。

ですので、最終学年の行事などに参加していなければほとんど撮影されていないと思います。

それも購入判断のひとつの材料になるのではないでしょうか。

 

卒業アルバムに関しては卒対の方と連絡を取り合う

わたしは仲のいいお母さんが卒対をやっていたこともあって、ものすごく助けられました。

担任の先生はけっこう忙しくしていてなかなか連絡もとれなかったので、

ほとんどやりとりは卒対の方とやりとりをして結果を先生に報告する、という形をとりました。

もちろん学校によっては、学校側が中心となって卒業アルバムを制作しているところもあるかと思いますので、その辺は確認しながら相談するといいと思います。

 

よく昔の集合写真で、欠席すると上の方にぼやけた写真がぽんと載っているの、ありましたよね。

わたしはあれだけはやめてほしかったので、そういったことも含めてお願いしました。

ですので、息子の個人写真の掲載はなく、入学式の写真や友だちとの写真のみが卒業アルバムには載っていると思います。

 

写真に関しての判断はけっこう早めに、購入するかしないかは後でもOKの場合も

卒業アルバムの写真に関しては早めに判断する必要がありますが、

購入するかしないかはけっこうぎりぎりでも大丈夫、ということでした。

学校側も余分に確保していることが多く、後になってやっぱりほしい!という場合も対応してくれることが多いようです。

 

ただ、購入しない、と決めていて、自分の写真が載っていないアルバムを突然購入する気になるか?というとなかなかそういうケースはあまりないですよね…。

 

我が家が卒業アルバムを購入しなかった理由

さて、上でも書いていますが、我が家が卒業アルバムを購入しなかった理由をまとめておきます。

 

  • 息子が卒業アルバムはいらない、と判断
  • 最終学年である6年生を学校で過ごしていない
  • 個人写真を拒否
  • 息子の不登校のきっかけとなった先生が卒業アルバムに載っている
  • そもそも写真が嫌い、写っていても無表情
  • 卒アル代が約30,000円で、その値段の価値があると思えなかった
  • 小学校生活がトラウマだらけ

 

です。

もちろん、息子にとって学校生活のすべてが苦痛だったわけではありませんでした。

少なかったけれど、確かに「楽しい」と言っていた時間もありました。

それでも、30,000円の価値を卒業アルバムに見出すことはできませんでした。

思い出はお金じゃないよ!と思われる方もいらっしゃるかと思います。

購入するか、しないか、の判断は本当にそれぞれです。

辛い記憶だったとしても、残してあげたい、購入しておこう、と本人の意思とは別に購入する判断もあってもいいと思います。

 

辛い思い出を形として残すのではなく、楽しかった思い出だけを形にしてあげよう。

 

それが親としてのわたしの判断でした。

息子にとって小学校はつらい記憶がたくさん残っています。

だからこそ、形に残すのは楽しかった思い出にしてあげたい、と思いました。

幸いにも仲のよかったお友だちのお母さんが写真を送ってくれたりしたので、

仲のよかったお友達と過ごした楽しい時間だけをオリジナルのアルバムにして残すことに決めました。

 

卒業関連の行事

学校によっては卒業関連の行事もいろいろあると思います。

そういった意味でも、卒対の方とは情報交換をしたり、相談をして連絡をとっておくのが一番いいのではないかと思います。

 

我が家はPTA会費や卒業関連の費用は、すべて寄付という形で支払い、一切の行事の不参加を決めました。

そういう形で、こちらの要望をかなえてもらったことに対して感謝の気持ちを込めた、つもりでした。

が、

最終的にコロナの関係でほとんどの行事は中止になったそうです(^^;)

 

最後に

子どもが不登校になった、ということだけでも親としては不安になります。

にもかかわらず、保護者として判断していかなければならないことがどんどん出てきますよね。

子どもと相談して決めるのが一番だと思いますが、

なかなかそれが難しいこともあるかと思います。

子どもも口ではあれこれ言っていても、本心は違っていたりすることもあります。

そういった気持ちを見極めるのも親の役目なので、本当に大変です。

 

ひとつの判断材料として子どもの気持ちが過去を断ち切っているか、

未来に向かって気持ちを切り替えようとしているか、

そういったときに、きっかけとして卒業というひとつの区切りが必要かどうか、というのを考えてみるといいかもしれません。

 

我が家のケースは多くあるケースの中のひとつです。

参考になるかどうかはわかりませんが、

判断するひとつの材料にでもなればうれしく思います。

 

すべての子どもたちが未来に向かって歩んでいけることを願いながら。