子どもと学びとわたし

保育士ママが子育てや教育について考えてみる

保育園に入りやすい年齢

都市部での待機児童が当たり前のようになって久しい保育園ですが、

保活をしていると保育園に入りやすい年齢、というのが話題になったりします。

 

一般的に保育園に入りやすい年齢は、0歳児と3歳児クラス、と言われていますが、実際はどうなのか保育士の立場から考えてみようと思います。

 

 

 

入りやすいのは0歳児&3歳児クラスと言われるのはなぜか?

 

まず、なぜそんなことが言われているか、ご存じでしょうか?

空きが多いから!というのが理由だと思いますが、

なぜ空きが多いのでしょうか?

 

0歳児クラス、というのは定員数が3人だとすれば3人募集があり、3人入ることができます。

3歳児クラス、というのは3歳児以降は幼児クラスになるため保育スタッフ1人に対して子どもの人数が増えます。

よって2歳児クラスより定員数が増える→募集人数が多い

と考えられ、0歳児クラスと3歳児クラスは比較的入りやすい、と言われているのではないか、と思います。

 

ですが、保育園によってはこのような単純な状況ではないこともあります。

0歳児クラスを2年過ごすお子さんや(???と思われますよね)

3歳児クラスになって定員数が増えても募集人数がとてつもなく少ないこともあります。

 

0歳児クラスについて

例えば、令和3年5月生まれのお子さんは令和4年度、0歳児クラスに入園します。

令和3年度生まれは令和3年度も令和4年度も0歳児という扱いになります。

もしも定員数3人に対し、令和4年4月に2人しか入園しなかった場合、1人空きがあります。

令和4年4月生まれのお子さんが令和4年度の途中、7月くらいから入園を申し込みすれば入園することができます。

その場合、0歳児クラスに入ります。

令和3年度生まれの子どもと、令和4年度生まれの子どもが一緒に0歳児を過ごすことになるのです。

すると、令和4年度生まれの子どもは令和5年度、もう一度0歳児クラスを経験することになります。

令和5年度には、0歳児定員3人に対し、募集人数が2人、となってしまうんですね。

ちょっとややこしいのですが、多くの保育園ではこのように受け入れをしています。

完全に分けている保育園ももちろんあります。

 

なので保育園によっては0歳児の定員数と募集人数が一致しない場合があります。

 

3歳児クラスについて

 

では3歳児クラスについてみてみます。

乳児クラスの2歳児から幼児クラスの3歳児になることで、定員数が増えます。

これはどこの保育園でも同じです。

が、保育園によっては同じ法人が運営している小規模保育園や、連携している保育ママのもとで保育を受けている子どもたちを受け入れることがあります。

小規模保育園や保育ママはほとんどの場合0歳児から2歳児までの乳児を受け入れています。

よって、その先は改めて認可園に申請して入り直すか、幼稚園に通うことになるのですが、

保護者の方の負担を減らすために、希望すれば系列の認可保育園にそのまま入れるケースが増えています。

自治体や保育園の方針により様々です。

 

という事情があるため、3歳児クラスで定員数が増えた、といっても募集人数はあまり多くないということもたまにあります。

 

えー、じゃあどのクラスが入りやすいの!?

と思われると思うのですが、

これは自治体や保育園の状況によって変わってくるため、

自治体や保育園のホームページなどで定員数、募集人数をしっかり確認しておくことが大事です。

特に希望する保育園が決まっている場合は調べておいたほうがいいです。

 

国の基準と保育園の定員数

あまり興味はないかもしれませんが、国の基準と保育園の定員数について少し書いてみます。

それによって募集人数なども見えてくるので、参考になると思います。

 

保育園は児童福祉法に定められる児童福祉施設のうちのひとつです。

よって国が定める児童福祉施設最低基準というものを守る必要があります。

(もし興味のある方は厚労省のHPや児童福祉法などを検索してみてください)

 

0歳児 3人に保育士1人(3:1)

1・2歳児 6人に保育士1人(6:1)

3歳児 20人に保育士1人(20:1)

4歳児以上 30人に保育士1人(30:1)

 

というのが国の定める最低基準ですので、この基準をもとにクラスの定員がだいたい決まります。

見てわかるように2歳児から3歳児でかなり枠が広がるのがわかると思います。

ですが、これはあくまで国の最低基準であって、自治体によってはもっと保育士を多めに配置するよう定めているところも多いです。

そもそも赤ちゃん3人に保育士ひとりだと、いざというとき、一人おんぶして両手に子どもを二人抱えて逃げることになります(えらいこっちゃ)。

なので基本的には0歳児6人のクラスで担任2人+保育補助1人というような形の配置をしている保育園が大半です。

 

この基準を見てもらうと1歳児クラスでも枠が少し広がるのがわかると思いますが、

1歳児から2歳児では変わりません。

1歳児クラスでも空きはあるので、まったく入れないということはありません。

ただ入りにくい、というのは1歳児くらいから保育園に預けたい、と考える保護者の方がとても多い、というのが理由だと思います。

 

保育園の定員やクラス編成は国の基準や自治体の定める基準によって独自に決められることが多いです。

 

0歳児、といっても寝てばっかりの赤ちゃんと歩き始めた赤ちゃんとでは生活が全く違うため、

0歳児クラス、0・1歳児クラスと分けている保育園もあったり、

個別対応がしやすいように0歳から2歳までが縦割り、幼児クラスの3歳~5歳までが縦割りの保育園があったり、

保育士の人数によってクラスの数が増えたり減ったり、

と本当に保育園によってクラス編成は様々です。

 

たとえば、国の最低基準どおりに

2歳児クラスが、子ども18人、担任3人

3歳児クラスが、子ども20人、担任1人

という配置の保育園があった場合、

3歳児クラスの募集は2人しかない、ということです。

 

また、保育園によっては

1歳児クラス、子ども5人に対し担任1人と配置しているところも多いです。(1歳児は大変なので)

そうすると、

1歳児クラス、子ども10人、担任2人

2歳児クラス 子ども12人、担任2人

というクラス編成となり、

2歳児の募集もでてくる、ということになりますね。

 

入りやすい、と言われている年齢であっても状況によっては入りづらい、

入るのが難しい、と言われている年齢であっても入れることもある、ということがお分かりになるかと思います。

 

こうしてみてみると、保育園入園するには一体どの年齢がいいの!?

とますますこんがらがってきますよね…(^^;)

わけのわからない話はこの辺にして…

保育園探しのポイントを書いてみます。

 

保育園探しのポイント

先輩ママさんから保活は早い方がいいとか、保育園は入りづらいからとにかくどこでもいいからたくさん希望を書いておくといいとか、いろいろ聞いたりアドバイスされることもあるかと思います。

なにが正しいの!?どうすればいいの!?

と思ったときに、覚えておいてもらいたいのが、

先輩ママさんの年と自分の子どもを保育園に入れるときの状況は必ずしも同じではない、ということです。

 

近くに新しくマンションが建ったり、若い世代が引っ越してきやすい環境があったりすると、その年は保育園希望者もバーンと増えて入りづらい、ということもあります。

ですので、仕事復帰しよう!保育園に行かせよう、と決めた年の状況をよく確認してみてください。

 

正しい情報を手に入れる

 

認可保育園の場合は、

自治体のサイトでだいたい保育園の定員数、空き人数/募集人数待機児童数、などが発表されています。

サイトなどで詳しく書かれていない場合は、子ども支援課、家庭支援課、保育課など自治体によって違いますが、保育園を担当している課に問い合わせをすれば教えてもらえると思います。

 

駅近くの保育園は定員いっぱい、待機児童もたくさん、でもちょっと離れた場所にある保育園では空きがあってすぐにでも入れる、というケースもよくあります。

また、小規模保育園は2歳児までだから、と敬遠されたりして意外にポンっと入れちゃったりすることもあります。

 

人気の保育園に0歳児や1歳児では入れなくても、3歳児クラスからは枠が広がり入ることができる、ということは多いので、乳児のあいだは頑張ってちょっと遠くまで通って、3歳児から転園を希望する、という方も多いです。

 

確実に保育園に入れたい、という方は募集人数の多い保育園、空きが多い保育園、ちょっと辺鄙な場所にある保育園(もちろん通える範囲ですが)を希望しておくのもひとつの手段かもしれないですね。

 

最も入りやすいのは新設保育園

最も入りやすいのはどこかというと…

やはり、新設の保育園です。

ここ数年、待機児童問題で、東京都などは新設の保育園が増えました。

今後どうなるかはわかりませんが、

子どもが少なくなった地域の、古い建物の保育園が廃園になり、

駅近くなどに新しく保育園ができたり、ということは今後もあると思います。

少子化ゆえに、そこまで増えることはないかもしれませんが、

共働き家庭が増え、子育て環境を整える、というのは自治体でも力を入れていると感じます。

新設保育園は最初こそバタバタするかもしれませんし、どのような保育園になるかというのがわからないというデメリットはありますが、逆に新しい保育園だからこそ、自分たちも一緒になって素敵な保育園を作り上げていく、という状況にもなります。

 

最後に

仕事をしたい、と思ったときにいつでも子どもを通わせられる、というのが親としては理想ですよね。

認可保育園ばかりが注目されますが、

待機児童解消のため、今は様々な保育施設があります。

認可保育園に入れなかったから、仕事復帰は無理だー、というわけではなく、

一時保育、保育ママ、小規模保育園、子ども園や、

認可以外の保育園、ベビーシッターなど、民間でも保育サービスはたくさんあります。

「生まれる前から保活しないと保育園入れないよ!」なんて言われると不安になる方もいらっしゃると思いますが、

住んでいる自治体では待機児童が多いけれど、隣の自治体ではそうでもなかった、ということもあります。

 

また東京都などは認可保育園に入るために点数(ポイント)制というものがありますが、これについてはまた別途記事にしています。

htklv.hatenablog.com

 

ひとつ覚えておいてもらいたいのが、

たとえいくらポイントが高くても空きがなければ入れない、ということです。

 

いろんな情報を知っておくことが安心につながります。

そのためには、通えそうな地域の保育園の情報を知ること、保育園入園時期の状況を自治体のHPで確認したり、わからないことは電話をして確認することが大事です。

 

そんな情報のひとつとして少しでも参考になればいいな、と思っています。