最近よく耳にする教育移住。
子どもの教育について考えている方は耳にした方も多いかと思います。
わたしも考えてます。今も。
一番真剣に考え始めたのは、やはり息子が不登校になったときですね。
6,7割くらい教育移住に気持ちが傾いていました。
というわけで、教育移住について書いてみます。
教育移住とは?
まず、教育移住ってなんぞや、という方に簡単に説明すると、
子どもの教育のために、子どもに合った教育環境が整っている場所へ移住することです。
それは田舎の自然豊かな場所かもしれないし、
素敵な教育を受けられる学校へ通うためかもしれないし、
子育てや教育に力を入れている自治体が見つかったからかもしれないし、
はたまたグローバル環境で学ばせたい!ということで海外へ行ったり、
理由は様々ですが、親の仕事の都合で移住するのではなく、【子どもの教育】を第一に考えた移住のことですね。
場所は国内だったり海外だったり。
海外に教育移住されている方も増えてきましたね。
日本でも、イエナプランスクールやドルトンスクール、モンテッソーリスクール、シュタイナースクールなどのオルタナティブスクールが増えてきましたので、そういった教育を受けさせたい!と移住を考える方も多いかもしれませんね。
またインターナショナルのボーディングスクールも新たに開校したりしているので、子どもはボーディングスクール、親は比較的に近くに移住する、なんて話も聞いたことがあります。
今は、欧米のほかにもアジアの国々、中国はじめシンガポールやマレーシアも教育には力を入れているし、インターナショナルスクールもたくさんあります。マレーシアだと日本よりかなり安くインターナショナルスクールに通えるので、検討されている方も多いと聞きます。
リモートワークなどもすすんできて、教育移住のハードルも以前よりは下がってきているのでは?と感じています。
とはいえ、教育移住には、メリットもあればデメリットもあります。
真剣に考えた国内教育移住
息子が不登校になったとき、担任や管理職の先生との話し合いが平行線で、どうあっても理解しあえない、という状況があり、そのとき、こんな学校のこんなに子どもの気持ちを考えない先生たちに息子は預けられない。と思ったのがきっかけです。
誤解のないようにいっておきますが、すべての先生方の対応がひどかったわけではないです。
スクールカウンセラーは難しい立場の中で、本当にいろいろ考えて動いてくださいましたし、本当に優しく声をかけてくださった先生方もいました。
ただ、校長、副校長、担任の理解が得られない、対応がとてつもなくひどい、という状況は、その後の学校生活がけっこう絶望的に思えたんですよね。
周りからは「数年で異動するよ!」と励まされたりもしましたが、やはりその時の息子の精神状況があまりにも悪かったので、環境を変える、というのが一番必要なことだと思えました。
そのとき候補にあがったのが、
- 自然が多く、生徒数も少ない超田舎の公立の学校
- 実家の近くのオルタナティブスクール
- 隣町くらいに引っ越して別の地域の学校
- 難しいかもしれないけれど、私立校
ということでした。
山村留学なども検討はしましたが、当時息子は8歳。
しかも鬱状態。
ひとりで行かせられるような状況ではなかったです。
そのような精神状態では私立も難しいだろうと思いました。
超田舎に行ってのんびり暮らすことも考えたのですが、田舎育ちのわたしは田舎の息苦しさというのもよく知っています。
やはり田舎はプライバシーがほとんどないし、
小さなコミュニティの中で嫌われたり、合わなかったりしたら悲惨な結果になってしまうこともありうるのです。
しかも、田舎に行ってしまえば、仕事がなかなか見つかりません。
当時は今ほどリモートワークもすすんでいたわけではなかったので、経済的な理由も大きな壁のひとつでした。
そうすると選択肢は限られてくるんですよね。
幸い、親が住んでいる場所から電車で1時間くらいの場所にオルタナティブスクールがあったので、その学校は第一候補でした。
子どもの自主性を大事に、様々な体験をとおして子どもの好奇心を育て学びをサポートしているその学校の教育方針はとても惹かれるものだったんですよね。
しかも町からは近いけれど自然豊かな場所で、学校と実家の間くらいに住まいを見つけられれば、親の支援も得られます。
都市部へ出るのもすぐだったので、保育士ならばすぐに仕事は見つけられるとも思いました。
当時は夫も仕事が大変で、転職先を探している最中でしたので、その方面での転職も視野に入れてもらいました。
ここまでかなり力を入れて移住を真剣に考えたのですが、結果としては、移住にはいたっていません。
心理士さんと何度か面談を重ねる中で、息子が「僕はこの町で生まれてこの町で育ったから引っ越しはしたくない。もう一度友だちに会いたいからがんばってみる」と言ったからです。
そうこうしていると、近くに新しくオルタナティブスクールができたり、オンライン教育も進んできたり、と変化が起きたことで、今も住まいに変化はありません。
ですが、その後もずっと教育移住は選択肢のひとつとして常に頭の片隅にはありました。
娘の教育のために海外移住も考えてみた
息子の不登校のことがあったため、娘の場合はかなり早くから就学について考えていました。
海外教育移住についても選択肢のひとつとして調べてみたりしていました。
特に、デンマークやスウェーデン、フィンランドの北欧教育、オランダのイエナプランは、こういう環境こそ、今の子どもたちに必要な教育なのでは!と思い、片っ端から本を読んだり、ネットで調べたりしていましたね。
約2年前、長野にイエナプランスクールが開校するという情報が入りました。
海外に行かなくてもイエナプラン教育が受けられる!!とわたしは大興奮でした。
設立者の方の思いだったり、学校についての記事を読むたびに「こんな学校に行かせたい。自分も子どもだったらこんな学校に行きたかった」と思ってしまう学校です。
あと、同じころに新設された風越学園にもものすごく惹かれましたね。
長野ばっかりなんでこんなに素敵な学校ができるのー!とひとりで叫んでおりました。
この学校へ行かせたくて、仕事のことや、母子移住、息子の学校のことなど含めていろんな可能性や、いろんな選択肢を考えました。
難しいとはわかっていても、何かいい方法はないかと、とにかく考えていました。
けれど、新型コロナウイルスが世界を覆う中、娘も敏感気質をもっていることから引っ越しや家族が離れて暮らすことへの不安を考えてしまうと、なかなか前向きにはなれなくなってしまいました。
娘が慢性疾患を抱えていて通院が必要なことも理由のひとつです。
コロナ禍で家族で離れて暮らせば、会いたいときになかなか会えなくなってしまう可能性もあります。
病院に通うのにも公共交通機関を使う必要があるのでリスクが高くなります。
メリットよりもデメリットが上回ってしまったんですよね。
今でも教育移住は選択肢のひとつです。
娘の学校生活がうまくいかなくなったときの安心材料にしたい、という気持ちもあると思います。
私立やインターナショナルスクールももちろん選択肢のひとつではありますが、やはり学費の問題があります。
オルタナティブスクールもしかり。
ただ、海外移住に関しては、わたし自身は海外経験もあってあまり海外生活に対して不安はありませんが、子どもたちや夫は不安だらけだと思います。
そこが一番大きいので、海外への教育移住は可能性は限りなく低いかなーとは思います。
とはいえ、いざというときのために英語の学び直しと、子どもたちへの英語教育は続けていこうと思ってます。(息子も留学に興味を持ち始めてるし…)
最後に…
今はとにかくいろんな可能性があって、いろんな学び方があって、わたしたちはその中から自分に合った教育を選択することができる、どんな学び方をしても大丈夫。
そんな親としてのスタンスは常に子どもたちに伝えるようにしています。
真剣に教育移住について考え、シミュレーションをしましたが、我が家にとっては今の状況下ではまだデメリットの方が上回ります。
子どものたちの気持ちが前向きになり、メリットの方が上回れば、もしかしたら実行してしまうかもしれないですが。
教育移住をされた方もいろんな考えがあったうえで決断されたのだと思います。
失敗談、成功談、さまざまあるでしょうし、ひとそれぞれ考え方も違うでしょう。
なにをもって失敗か成功か判断するかも人によると思います。
子どもが楽しく学び、大人も心豊かに生きていける、そんな素敵な場所が見つかるのが一番ですね。